「ふー」は、生後すぐから湿疹が出はじめました。
身体中をいつもカキカキしている赤ん坊でした。
「これは何だろう?」と本を調べたり、保健婦さんに聞いたりしました。
「乳児湿疹ですよ。ちゃんと石けんで洗ってあげて。すすぎもちゃんとするように。」
一生懸命、洗ってもすすいでも、
石けんを刺激の少なそうなものに変えても、直りませんでした。
髪の中にいっぱいかさぶたができました。
「脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)」じゃないか、
ということもいわれました。
「清潔にして、かさぶたはベビーオイルでふやかして優しくとってあげてください。」
かゆいのでしょう、頭をボリボリかきむしって、
ベビーベッドの上はすぐにかさぶただらけです。
とってあげる暇もなく、かさぶたがはがれて、黄色い汁がじゅくじゅくでます。
顔も真っ赤に腫れ上がって、耳やほっぺたから流れ落ちる黄色い汁で、
「ふー」のベビー服は黄色に染まりました。
産院で、同時期に産まれた赤ちゃんたちと一緒に、1ヶ月検診を受けました。
まわりの赤ちゃんはみんなつるつるほっぺ。「赤ちゃんの柔肌」。
みんな、赤ちゃんを見せあっています。
「ふー」をのぞきこんだ人は、なんともいえない顔をして、目をそむけました。
でも、わたしにとっては、大事なかわいいわが子でした。
お宮参りのとき、京都では男の子は「大」という字をおでこに書くのですが、
書くのが痛ましいほどの肌の状態でした。
もちろん、お宮参りの衣装も、襟元から黄色く染まりました。
「アトピー」という文字がわたしの頭の中で踊っていました。
でも、認めたくない。「アレルギー」って言われたくない。
でも、このままじゃ、「ふー」はずっとかきむしり続ける。
意を決して行った病院で、やはり、「アトピー」と言われました。
血液検査をしないと確定できません。
6ヶ月になったら血液検査をしましょう。
6ヶ月のときの血液検査で、卵・小麦・乳製品が原因、と、わかりました。
祖母と母が近年花粉症になったくらいで、長男の「めい」にもアトピーは出ず、
家族が目にみえてアレルギー体質やぜんそくだったということもありません。
次男の「ふー」だけが、まさか生まれつき食物アレルギーだなんて。
最初の落ち込み状態から脱すると、猛烈にアトピー関連の本を調べまわりました。
いよいよ、わたしたちの、食物アレルギーとの戦いが、はじまったのです。
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